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照明計画

時間の過ぎる速さの恐ろしさ。。。

歳のせいかなんなのか、今年ひいた風邪2回共治りが恐ろしく悪い。

気づいたらまたしてもブログの更新が止まっていた始末;

なので、今回は仕事っぽいことを書いてみよう。。。

 

住宅のインテリアコーディネートの仕事の中に照明計画がある。

ざざっとざっくり要望を聞いて、照明メーカーに計画してもらってそれを修正して提案する時もあれば、要望を踏まえた上でこちらで計画する時もある。

 

照明計画は作業としては楽しいので好き。というか照明器具が好き。ペンダントが特に好き!

なのだけれど、この照明計画、お客様とのやりとりの難しさで言ったら1、2を争う。

 


寒さ暑さもそうだけれど、明るい暗いの判断はそれ以上に個人個人で感覚が違う。

どこまでを暗いというのかの判断基準がなんとも難しい。そして言葉で説明してもらいにくい。それなのに打ち合わせは常識的には昼間に行われるので、あれ暗いですか?これは。。。と確認するタイミングもなかなか無い。

暗い=手元が見えない、見えにくい。ということではないのだ。メモくらいなら問題なく書ける程度の明るさがあっても暗いという感覚の場合がある。なので、そこまで明るくなくても大丈夫だろうと思うような場所であってもとにかく明るくということがある。

このことについてよく言われるのは日本的感覚。天井から煌々と蛍光灯が昼夜問わず部屋を照らしてきたことの遺物。

 

私自身は煌々と明るくないのが好みで、照明の色も電球色と言われる赤みのあるもので生活している。

 

リビングには40Wと60W相当と言われるLEDのペンダントを1つずつ垂らして一緒に点灯している。

その下で仕事をしたり模型を作ったりしていて、目にはちょっと良くないかもと思うけれど、生活するのには問題ない。

だけれど、以前遊びに来た友人からは明るすぎない?一つでよくない?と言われ、一つにしてみたけれど、微妙な暗さがなんだか目に気持ち悪くて、

それならいっそ両方消してスタンドライトだけな方がいいという感じだった(ただし、そうなるともうまったり晩酌タイムになってしまう)

ちなみにその友人は帰国子女。う〜ん、やっぱり私も日本人?(笑)

 

夜は赤みのある色の照明で、リラックスした時間を過ごし、質の良い睡眠へと導きましょう。

空間全体を明るくするのではなく、必要なところに必要な明かりを配置しましょう。

 

というように、日本での照明に対する考え方も変わってきてはいるけれど、一般的に浸透していると言えないのも事実。

赤みのある照明(電球色)=ムーディーな夜の店=暗い ということもあるのかもと思ってみたりする。

 

提案する側としては前述のような説明をした上で、極力必要最低限の照明で提案させていただく(もちろん最終的にどうするかはお客様次第)。

あまりボコボコ天井にダウンライトが設置されている光景も見た目的に美しくないし、あちこちぶらぶらペンダントをぶら下げるわけにもいかない。

暮らしていて明るさが足りないなと思った時にそこにフロアライトやスタンドライトを取り入れてもらうのがコスト的にも機能的にも無駄がなく、空間の雰囲気づくりという点でも一番おすすめなのだけれど、天井からの明かりじゃない=暗いという感覚がまだまだ無くならないな。。。というのを実感する。素敵な照明器具たくさんあるのに!!と残念に思う。

 

そんな葛藤を胸と頭に抱えながら照明計画をするわけだけれど、全体の照明の光の色味を決めたら、まずはベースとなる器具(基本的には室内を広く明るく照らす照明器具)を計画していく。主にダウンライト(天井に埋め込まれている10cmくらいの丸いもの)(左下写真)やシーリング(昔からよく見る洋室とかの天井にある丸や四角いカバーがついてるもの)。

 

ダウンライト
ダウンライト
引掛シーリングに付く簡易版ダクトレール
引掛シーリングに付く簡易版ダクトレール

ダウンライトは小さくても意外と空間のイメージを左右するので、場所によっては小さめのを選んだり、高齢の方の場合は眩しさを抑えたものを選んだり、他には調光だなんだと機能が色々あって、意外と選択肢が広い=悩み出すと止まらない。その上、壁からの距離や器具感覚によっても空間の印象を変化させてしまう。

シーリングは。。。基本的には好みじゃないのであまり使いたくない(笑)けれど、最近はデザインも色々出てきているので、使うことでいい雰囲気の空間がつくれそうな時があれば使ってやってみたいことはあるのでその時が来るのを楽しみにはしている。

現状だと子供部屋とかコストを抑えたいとか、今使っている器具を使いたいという要望があれば使う感じ。

そういう場合は引っ掛けシーリングなる、後々自分でペンダントでもシーリングでもはたまた簡易版のダクトレール(右上写真)を取り付けることもできるのでフレキシブルな使い方ができるので、どう成長していくかわからない子供の部屋にはおすすめできる。

 

ベースの照明を計画しながら、後でここにペンダント(ぶら下げる照明)を足そう、ブラケット(壁付の照明)を足そうと考えるのだけれど、それらを使うのはアイストップだったり空間の雰囲気づくりだったりとインテリア的なアクセントの意味合いが強い。

 

そして一番重要なのが、空間それぞれの明るさやインテリアだけを考えるのではなくて、住宅であればその住宅全体を通して考えること。

例えば、メインとなる動線...玄関からリビングに入る時、そこから見えるダイニングキッチン、玄関からお客様も使うトイレや洗面...と、空間から空間へ移動していく光景をイメージしつつ、光でどう演出してどう誘導していくかを考えて計画する。

その時にペンダントやブラケットだけで明るさが問題なければベースの器具を削ることもある。

 

と、ここまで書いてこれは最低でも図面がないとわかりにくいな。と思ったけれど、とにかく私の今の重要課題はブログなど記事を定期的に上げることなのでそれはまた次の機会のネタとします(笑)

 

楽しいんだけれど、たまに、これ自分が気になってるだけじゃない?って思う(思わされる)ことが多々あり、そこまで誰も求めてな〜い。

とツッコミながらも、気になるものは適当に出来まい。とやめられずにいる。

 

ペンダント照明についても、お客様も然る事ながらそのお好みに合わせてこれ使いたいと私自身も思うものはあるけれど、空間のつながり上どうしてもそこにこれ、あそこにこれ、と配置すると違和感が出てしまうものがある。

 

照明、家具、壁紙やタイルなどなんでもそうだけれど、使いたいものを使いたいところになんでもというわけにはいかないので、どうしても取捨選択、適材適所ということを考えないといけなくなる。

洋服と同じ。好きなものを上下で着たら様子がおかしくなるのにそのままで出歩く人はほぼいないはず。好きだけど絶対似合わないものは泣く泣く諦めるはず(たまに買っちゃってクローゼットの肥やしとなるけれど)。

 

えいっと飛んで、リビングに着地。洗面所に着地。というわけにはいかないので、足を前後に動かして移動する流れでの見え方を考えて違和感のないよう計画するようにしている。

 

もちろん、そんなのどうでもいいから好きなものを好きなところに!と言われればそうするけれど、こちらで最初からそれで提案するのはこれを生業としている側のすることではないかなと思うので我が道を行きます(笑)。

 

 

最近この照明計画に時間を取られることが多くて、敬遠されがちな電球色についてそんなに暗いかなぁとつくづく思い、家で、普段使わないけど賃貸マンションだしあそこは電球色じゃなかったかもしれない。確認しよう。と思って点けたら、小さな我が家は全てが電球色で、唯一キッチンの流しの上にある手元灯だけが蛍光灯のような白色でした。

実家を出てからずっと交換できる照明器具は好きなものに変えてしまっているので、洗面台やキッチンの手元灯以外は白熱灯or電球色生活。

人生半分以上電球色。そりゃ違和感もないか。

電球色じゃダメだ!と思う時は、夜、細かい模型作業や図面チェックをしている時と、写真展などの写真を選ぶ時。そういう時用にデスクライトを使っていたけど、最近はもうそれを使わず力技で。。。あとは洗い物をする時は白い照明が便利なのかもと今更思った。洗い残ししがちなので;

今の部屋は洗面所のミラーライトも電球色なのでいちいちシミが気にならなくて気分的には日々平和なのだけれど、たまに外でギョッとして慌てて色々考えなきゃいけなくなるという悪影響はある。