· 

家事動線に特化した間取り

床面積30坪で家事動線に特化した間取りをということが一番のご要望の中、提案させていただいたプラン。

他にも細かい希望が色々あった中で、記憶に残ったのが、朝お化粧をするので東側に鏡台が欲しいというご希望。

お化粧品を買うのが趣味とのこと。こういう、その人ならではの希望があるとプランを考えるのが楽しくなってくる♪

 

今回の計画地は、敷地自体は変形していたけれど、ある程度の大きさの正方形が取れるスペースがあったので、

回遊するプランを計画するには向いていたと思う。

 

北側に大きな道路があり、西側南側に通路があったので、水廻りや収納を北側に置いてリビングや居室との緩衝帯として騒音に配慮した。

さらに、そこにキッチンを隣接させ家事動線をまとめ、キッチンを中心としてリビングや個室を配置し、ほぼ家中が回遊できるよう計画しています。

キッチンからはデッキまで見渡せると同時に、アイランドキッチンでキッチン周り自体ぐるりと動けるようになっているので、小さなお子様も見守りやすく、大きくなって子供部屋にいる時間が長くなった時でも気配を感じやすくと考えました。

 

ちなみに、外干しする時もランドリースペースからほぼ直線でデッキへと繋がる動線としています。

 


リビングダイニングの天井を高くすることで明るく開放的な空間をつくるとともに、住まいとなる空間に変化を与えます。

この空間があることで、一般的な天井高さの居室や玄関ホールは落ち着き感が増し、

逆にそれらの空間から天井の高いLDに足を踏み入れれば開放感が増すでしょう。

 

このような、空間から得られる精神的な影響も計画する時に重要視している部分です。

 

また、南側にワークスペースを配置しているのも、家族がいない間に在宅ワークをされるということだったので、気持ちのいい場所にと考えたからです。

ダイニングに隣接しているので、子供はダイニングで勉強、大人はワークスペースでお仕事。でもいいですね♪


その他のポイントとしては、まずはホールとLDKの入口の関係。

玄関を南に寄せれば収納が大きく取れそうですが、この引き戸を開けていても、玄関からLDKが丸見えにならないよう配慮しています。

また、この引き戸をガラスにすることで、LDKから見た時に「抜け」ができ、空間がより広々と感じられます。

キッチンからも玄関の気配を感じやすくなります。

 

次は洗面コーナー。

あえて洗面所という空間にせず、廊下に隣接させることで空間を有効に利用しています。

利用頻度が限られる「廊下」と「洗面所」それぞれスペースを確保するって、もったいなくないですか?

ちなみに、片付けが苦手だったとしてもLDからは死角となるよう計画しているので多少は問題なし!

 

続いては鏡台です!

子供達がご飯の間に!ということでしたので、主寝室に近く、ダイニングの様子がわかる場所に。

雑然としないよう小さな収納を設置していますが、LDから目立つのは好ましくないと考え、キッチンコンロの横を壁とし、気持ち奥まった空間をつくっています。

朝の自然光は上部のトップライトから柔らかく取り込みます。


最後まで迷ったのは、上の画像の赤丸の部分に引き戸を付けるかどうか。

ここに引き戸を付ければ、ウォークスルークローゼットとなり、子供部屋からも利用できるので、将来的な使い方の幅は広がります。

でも、出入口をつくるということはその分収納スペースは減るんですよね。

ということで、今回は一般的なウォークインクローゼットとしました。

 

また、この計画は個室面積が小さめですが、その分他のスペースがそれぞれゆとりを持った大きさとなっています。

限られた面積の中で、細かいスペースがいくつも必要になる場合は、まず通路としてしか機能しない部分を極力減らすように考えます。

その次に、個室にいる時間が少なそうであれば個室は最低限必要なスペースに抑えます。結構潔く小さくしてもいいと考えています。

その分水廻りや収納を広くした方が、気持ちよく利用できると思っています。

個室と違い大きな窓をつけることは一般的には無いですし、暗くて狭くて使いづらいと整理整頓するのも掃除もめんどくさくなると思うんです。どうせなら、気持ち良く使いやすいスペースにしたいですよね。

 

さて、間取り解説ブログ初回はこんな感じにしましたが、結構時間がかかるのでこれで続けられるかは自信がないです。。。

ちなみに、このプランは間取りコンペで1位に選んでいただいたものですが、自分で考えた間取りはどれも私の中では1位!このプランすごく良くない!?と自画自賛するテンションになるくらい考えて考えています。

提案は平面の間取り図だけですが、立体で考えているので、間取り図だけではお伝えできない部分も多いですね。(間取り提案の際は内容説明書でその部分を説明させていただいています)